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ピアノ演奏法の基本~美しい音を弾くために大切なこと

ピアノ演奏法の基本 「美しい音を弾くために大切なこと」

中山 靖子/音楽之友社

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ピアノ演奏の心構えから、奏法の解説まで完結にまとめられた一冊。「中級程度のレッスン生を指導する先生向け」とのことですが、「こういう風に教えなさい」というスタンスではなく、ピアノを弾くにあたってどういう点に気を付けたらいいのかを、分かりやすく解説されているので、ピアノ学習者にもとても勉強になるような気がします。実際の楽譜の一部も載っています。

ただ、「作曲家にふさわしいタッチのイメージ例」というのが最初のほうに出てくるのですが、少し分かりづらいかもしれません。

〇の中に・があるのは、「明確で軽やかな音」を意味しているのでしょうか。。作曲家でいうと、スカルラッティやモーツァルトなのですが。〇の中の・にも微妙な大きさの違いがあり、ブラームスは大きめです。「太い芯のある音」「(重力の)重みが感じられる音」と捉えられそうです。〇の輪郭も太めですし。〇の大きさが音量だとすると、ベートーヴェンはこの中では最大のF(フォルテ)が出てくると見ていいようですね。〇の中の色は音色の違いでしょうか。ドビュッシーとショパンの〇は同じ大きさでも、ドビュッシーには灰色の色がついています。ドビュッシーというと、他の作曲家に比べ、音の輪郭が曖昧でボンヤリとしてますよね。滲んだ感じがしたり。ラヴェルだと、灰色の〇で真ん中に・が。例えば、ドビュッシーの「水の反映」とラヴェルの「水の戯れ」を聴き比べると、「水の戯れ」の方が、音に明瞭さが感じられるような気がするので、同じ印象派でも違いがあるという風に考えることができそうです。

作曲家ごとにいろんな音があると思うと、それを的確に表現できたら、演奏の幅も広がるだろうなと感じるのですが、どんなにベートーヴェン(のフォルテ)が弾いてみたくても、私が実際に弾くのは困難だろうなと容易に想像がつきました(笑)レッスンでもベートーヴェンは全然やっていない(小学生の時に「エリーゼのために」をやり、中学生になって早期に作られたソナタ1曲をやった程度)…。ブラームスも同様ですが。先生もたぶん、向いてないと思ったんでしょう025.gif他の人が軽々と(?)フォルテ、フォルティッシモを出しているところでも、私の場合、身体をしっかり使って弾かないと音が出なかったりします(涙)ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」の第一楽章なんかに憧れているのですけどね。指は頑張れば10度届くのですが(左手の方が余裕で届く)…!右手に関しては、8度(ドからオクターブ上のドまで)が親指ー中指で楽に届きます…。それできれいな音を出せと言うとまた別問題ですが(笑)

どんな作曲家の音楽であろうと、ちゃんと弾こうと思うのなら、先生がつかないとキツイなぁと思う今日この頃です…。

                


スカルラッティのソナタ(上)。まるで小鳥のさえずりのようです。
ブラームスのソナタ(中)。渋い…。じんわりとした音色にご注目あれ。(pf.ジェローム・ローズ PTNA『ピアノ曲事典』より)
ベートーヴェンの「悲愴」(下)やはり演奏はケンプ氏が良い…!


by fresh-mango | 2017-03-29 00:42 | 音楽を楽しむ | Trackback | Comments(0)

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