秋の光りを集める。
2014年 10月 20日
朝7時半過ぎ。特急に2時間半ほど乗ることになるので、ボストンバッグに忍ばせていた角田光代さんの『水曜日の神さま』を取り出す。
やっぱり、角田さんの旅関係のエッセイは面白い。マラリアにかかって死にそうになった話などを読むと、軽い気持ちで角田さんの旅の仕方に憧れる…とは言えなくなりますが、角田さんのフィルターを通して世界各国を覗いてみると、また一つ新しい感覚の扉が開くような気がする。思わず、バッグにしまってあったトラベラーズノートを開いて、心に響いた文章を書き写してしまう。特にいいなと思ったのは、この文章。
旅は通過である。どれだけその町を好きになっても、旅しているかぎり通過する。(略)一週間、二週間と滞在しても、それが旅であるかぎり、町はこちらを旅人としてしか扱ってくれない。通過にふさわしい横顔しか見せてくれない。
この本、旅から帰った後に書かれた文章がいくつか続いた後、旅先でその時に書いたと感じられる話が、章の最後に来るので、角田さんと一緒に外国に出かけたような気分になる。
朝の日の光が眩しいと思っていたら、急に霧がかってきた。
霧の中を列車は、何事もなかったように進んでいく。
気がつくと、また日の光が車窓から差し込んできた。
天候が変わったというより、ある地点を通過していただけということに改めて気づかされる。
移動中見つけたものは、移動のスピードに合わせて、はかなく通り過ぎてしまうけれど、町の横顔が覗ける幸せを噛みしめて今日も小さな旅に出る。
※写真はダメダメなんですが、冬に向かう前の最後の(?)暖かな太陽の光を残しておこうと思います(^^;)写真はすべてiPhoneで撮影。
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sukakichi2 at 2014-10-26 18:28
角田さんの本はまだあまり読んでいませんが、気になる作家の一人です。「町はこちらを旅人としてしか扱ってくれない」は頷けるコメントで、深いなと思いますね。
写真は動きとか光などが詩的な感じで、わたしはいいなと思います。
写真は動きとか光などが詩的な感じで、わたしはいいなと思います。
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fresh-mango at 2014-10-29 15:26
sukakichi2さん、こんにちは!
角田さんのエッセイは面白いので、おススメです!
上記の本の他、「いつも旅のなか」「世界中で迷子になって」「あしたはアルプスを歩こう」あたりが読みやすくて、なかなか深い文章にも出会えますよ☆
写真も心に残った風景をバンバン撮っていきたいと思います!
角田さんのエッセイは面白いので、おススメです!
上記の本の他、「いつも旅のなか」「世界中で迷子になって」「あしたはアルプスを歩こう」あたりが読みやすくて、なかなか深い文章にも出会えますよ☆
写真も心に残った風景をバンバン撮っていきたいと思います!
by fresh-mango
| 2014-10-20 00:58
| 旅行/さんぽを楽しむ
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Comments(2)